緑寿園は11月で創立満32年を迎えます。
ご利用者やご家族、ボランティアの皆様たちに安全且つ安心で満足した生活や活動を楽しんでいただくため、健全な施設運営において努力を重ね、建物・設備・ 用具を整備していきたいと思いますので、どうぞこれからも宜しくお願いします。 事務企画室 室長 森松昭夫
敬老の日、お祝い申し上げます。
緑寿園では、特養に入園されてから百歳を迎えられた20名の肖像画・記念写真を飾らせていただいております。本年は3名の方が新たに加わります。明治・大 正・昭和・平成とその時代をしなやかに生き抜いてこられた方々の凛とした微笑みは生きることの誇りを示してくださっています。
現在特養ご入居の最長令の方は百七歳になられました。自律した生活の積み重ねが長寿へと繋がり、毎朝のご挨拶の言葉ひとつにも強い輝きをいただいております。
ケアセンターをご利用いただきながら百歳を迎えられた清水次郎様が詠まれ緑寿園が大切にしている句があります。
「老松の緑寿ぐ園守る人 至誠燃えてみなおおらか」
介護保険制度施行以来高齢者福祉の仕組みが変わって、お一人お一人が期待される日々の生活と社会が用意する公共的なサービ スに少しずつ乖離が生まれるようになってきました。私たちは日々の生活を誠の心を大切にして、おおらかで心地の良い毎日であるようにお手伝いさせて頂きた いと、これからも日々努力を重ねてまいります。私たちのこの仕事を継続する力は、日々作られるご利用の皆様、地域の皆様と信頼の絆です。
敬老の日とは国民の祝日法で「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日」とされています。そもそもこの日の由来とは、1947年に兵庫 県多可郡野間谷村(現八千代町)の門脇政夫村長が提唱した「としよりの日」が始まりとされています。その後1954年に国民のしゅくじつ として制定され たものの、「としより」という呼び名に各方面から異議が起こり「老人の日」に改名され、1966年「敬老の日」に改められました。また起源の諸説には、聖 徳太子が現在の大阪市に悲田院という身寄りのない老人や病人を救うための施設を開いた日に因んだ説や、天皇が717年に年号を「養老」とし養老の滝に御幸 した日、または高齢者に贈り物をした日という説もありますが、どれも確かではありません。現在は2001年の法改正により9月第3月曜日と定め、移動祝日 となっています。
皆様もご存知でしょう、還暦、古希、喜寿、傘寿、米寿、卒寿、白寿、百寿は賀寿といいます。
お隣の中国では「重陽節(9月9日)」は敬老の日でもあり、各地で高齢者を見舞う様々な行事が行われるそうです。また、「礼の国」韓国では年上の人を敬う という「仁」の思想があり、食事の時はまず長老者が箸をとってからというのが礼儀とされています。我が国も長寿者が多いことで知られる沖縄に、旧暦の9月
7日「かじまやー」というお祝いがあります。主役となるのは数え歳97歳になる方。頭に真っ赤な頭巾、手には大きな風車を持って豪華な飾りつけのオープン カーで地域をパレードします。「かじまやー」とは本来、「四辻」や「風車」を表す沖縄の方言で、“97歳まで元気でいると童心に還る”という伝えに因み、
風車を手にもつのだそうです。いくつか紹介してきましたが、「敬老の日」だからではなく日頃から高齢者を敬い、大切にしていく文化を育てていきましょう。
急な体調の変化が起きた時にどうしたら良いか?注意する点、対処方法、また緊急対応時に使用されるAED(自動対外式除細動機)のご紹介をしたいと思いま す。緑寿園では、日中は診療所、夜間は夜勤リーダーの勤務するフロアにAEDを設置しています。緊急救命対応ができるよう、西東京消防署や専門職の指導に よる職員全員を対象にした実技研修をおこなっています。
□ぼーっとしていたり、いつもと違う症状がある。
□声をかけても反応が鈍かったり、顔色が悪い。
□握力の左右差、手足の麻痺がみられる。
症状が悪化しないように身体を動かさずそのままの姿勢で、呼吸・脈の確認・嘔吐をしているかどうかをチェックし、窒息しないようゆっくりと横向きにします。また、毛布で身体を保温し、体温の低下を防いで救急隊の到着を待ちましょう。意識が戻っても主治医を受診しましょう。
□嘔吐物の色が、茶褐色や血液が混じっている。
□発熱や腹痛、下痢がある。
□最近頭をぶつけたことがある。
体を横に向けてしめつけているもの(ベルトやボタン)をはずし、ゆるめます。その際は体温調節に気を付けて、かけものをかけます。また、入れ歯をしていたらすぐにはずしてください(入れ歯の紛失には注意)。症状が改善しない場合は受診しましょう。
□呼吸、脈拍、顔色がいつもと違う。
□物が喉につまっている。
□握力の左右差、手足に麻痺がある。
□話す言葉が、ハッキリしない。
脱力時は倒れやすく、傾く方向がはっきりしていないため支えてあげるか、楽な体位で横にさせ、身体をしめつけているものなど(ベルト、ボタン)をはずします。ゆっくりと声かけをし、軽いかけものをかけて保温するようにしましょう。症状が改善しない場合は受診しましょう。
AEDは、2004年7月から一般市民でも使用可能となり、交通機関や公共施設、企業等の人が多く集まる場所に設置されるようになりました。
AED(自動対外式除細動機)
対象者:8歳以上 体重:25kg以上
1.蓋を開けると自動的に電源が入る。
2.電極シールを胸に二箇所貼る(貼付位置図が分かりやすく表示されている)
→貼付後、自動的に心電図の解析が開始される。
3-1.電気ショックが必要な場合
→音声指示に従い、放電ボタンを押す(※放電ボタンを押す前に患者から離れる)
3-2.電気ショックが必要ない場合
→音声に従い人工呼吸と心臓マッサージを続ける。
以上の手順を、救急隊が到着するまで継続します。
※呼吸、咳、体動の確認がとれた場合はAEDの使用を中止し、身体を右横向きにして救急隊を待ちましょう。
★AEDの使用方法や、救命に関する講習が消防署で行なわれています。