桜の花もいつしか若葉となり、八十八夜も過ぎ端午の節句、そして立夏。日は変わり月は変われど、変わらぬのはボランティアの皆様の長い御協力。緑寿園と共に歩んで、永年活動表彰される方には、すばらしいことだと頭が下がります。そのご努力に感謝いたします。

緑寿園副園長 小川茂

平成17年5月号


今朝、花が届いていました。淡いピンクの花水木です。「1909年から数年に渡り、尾崎行雄当時東京市長がアメリカ合衆国に桜の苗木を贈りました。その返 礼として1915年日米親睦の木としてハナミズキが贈られてきました。・・・云々」とメモが添えられていました。この桜とハナミズキの話は、新学期の期待 と不安のうち聞いた新しい英語の教科書の匂いと共に、ポトマック河畔に咲き誇る桜を思い出される方もいらっしゃるかと思います。ボランティアの方々は、緑 寿園のご利用者や私たち職員に忘れかけていた青春の感動、季節の香りを届けてくださいます。

平成16年度緑寿園でボランティア活動をしてくださった方は延べ5000名にとどいております。この3月末に、23年間シーツ交換の活動をしてくださって いた小金井市の「前原一丁目たんぽぽ会」の皆様がお休みとなりました。本当に長い間活動をしていただき、ありがとうございました。

6月1日に開催します平成17年度「ボランティア感謝の集い」において、永年活動表彰をしていただく方は、20年表彰者2名、10年表彰者5名いらっしゃ います。緑寿園のボランティア活動は実に様々な場面での活動です。朗読・手芸・陶芸・絵画の作品作りのお手伝い、入浴後の整髪、洗濯物の整理、繕い物、お 話し相手、動物訪問、趣味活動の手伝い、人の数だけ活動があり、活動の数だけ感動があります。言葉に尽くせぬ感謝の気持ちをこの紙面をかりてお伝えいたし ます。

私も慌しい日常を、ふーーっと断ち切って・・・深呼吸。

居心地のよい緑寿園空間にようこそ、。


平均寿命が男性78才、女性85才とのびています。「寝たきりにならず、いつまでも健康でいきいきと暮らしたい」ということは万人の願いです。

誰もが必ず年老いて機能が低下していくものですが、適切な手立てを講ずれば、健康な生活を維持していくことが可能といわれています。介護が必要な状態にな ることを予防する、また、悪化しないようなとりくみを一人一人が自覚して行う時が来ているといえそうです。

緑寿園では各部署で介護予防のとりくみを行っています。

ケアセンターでは

小金井市介護予防教室

小金井市在住で65才以上の移動動作に不自由を感じている方を対象に、毎週木曜日の午後に2時間、グループ体操や、理学療法士による個別指導を行っています。

認知症予防教室

武蔵野市、西東京市、小金井市在住の65才以上の方を対象に、脳の機能を楽しく積極的に使うことで、認知症を予防していく教室です。6月8日より毎週第2第4水曜日の午後行います。

ふれあい広場

介護保険未申請の方、介護度の出ていない方を対象に、緑寿園ひまわり広場にて、週1回、火曜日、午後1時から3時まで行っています。少人数で和気あいあい と、お茶会や籐工芸など初めての方でも出来る内容の活動です。季節に合わせた食事会も、ご希望により実施しております。仲間作りにご参加ください。

在宅介護支援センターでは

個々の方々の介護予防のご相談にあたるとともに、大きな意味での介護予防になる地域ネットワーク作りを進めていきます。また、西東京市とともに次のことを行います。

巡回健康相談

個別健康相談と血圧測定、体脂肪測定、握力測定
医師・栄養士・保健師・支援センター職員が健康・福祉などの相談にあたります。様々な健康問題を早期発見するとともに、介護予防につなげることが目的です。

まちの健康ひろば

介護予防に関する講座です。西東京市オリジナル「しゃきしゃき体操」の紹介があります。
栄養講座や歯科講座「健口体操」も今後予定しております。


緑寿園は地域に開かれた施設をモットーとし、開設以来、多くのボランティアの皆様にご協力いただいてきました。ボランティアの皆様に参加していただきなが ら、共に地域福祉を推進していくことを目指しています。10年、20年と、ボランティアを続けてこられた永年活動の方々に、緑寿園でのボランティア活動に ついて振り返っていただきました。(写真は利用者様の作品です)

永井 千世子 様

活動歴:20年  活動:洗濯物の整理

緑寿園に毎週金曜日に通いはじめて満20年もたってしまいました。振り返るとこの間、園のお役に少しはたてたのかしらと不安です。ただ楽しい一日を過ごさせていただいた事は確かです。
20年前に保谷市で開催されたボランティアスクールに参加し、体験学習として各施設へ伺いました。その時、緑寿園のランドリー室で半日お手伝いをさせてい ただきました。その仕事は私にむいているかしらと思い、それから通い始めました。職員の方々の暖かさに甘えながら我儘も通させていただき今日に至りまし た。
主人も毎週金曜日は気持ちよく留守番をしてくれます。主人の協力もあったので20年間続けられたと思います。私共夫婦は高齢ですが2人の体調のよい間はもう少し続けさせていただきたいと思います。

船越 日出子 様

活動歴:20年  活動:洗濯物の整理

緑寿園と私の出逢いは、退職後の昭和58年以来となります。それ以前に我が家に住み込んで子供の世話をして貰った、身 寄りのない「なみ」おばちゃんが尚和園(サンメール)で老後を送らせていただきた経緯があり、新聞で緑寿園ランドリーでボランティアの募集をしているのを 見て、即、押しかけ募集しました。
以来20年、おむつも古い浴衣から真っ白い晒に変わり、今は紙おむつと徐々に変わりましたが、洗濯室に籠もってひたすら衣類をたたみ、繕い物やミシンかけ で、20年経ちました。お年寄りとの接点は年に何回も無い内容ですが、介護は勿論親世代と生活した経験のない上に、体力の落ちた私にはこれが一番失敗のな い仕事と思い、楽しく働かせていただいています。少々落ち込んでいても疲れていても、金曜日になると不思議に元気回復、家事も放り出して出て行きますが、 私が元気で居ればと家人も大目に見守っているようです。最初は、沢山の方の理解と協力があってこそ私も30数年間勤める事が出来たからと、その感謝の気持 ちで始めましたが、今ではそれにプラスして、私の方が楽しませていただいている状態です。
20年以来の良きお仲間にも恵まれ、楽しい晩年を感謝しています。見守ってくださる園の方々、お仲間と家人にも同じ気持ちです。「もう使い物にならない」とお暇が出るまで、体力、知力を何とか維持していきたいと思っています。

高橋 敏子 様

活動歴:10年  活動:生け花

季節的に花材が多く、生ける楽しみがございます。
以前は下山さんと生けていましたが、今は私一人で生けています。お花を生けること、又、皆様に喜ばれることに喜びを感じます。
お花にはいろいろな顔があり、週一度の緑寿園に通う事が楽しみのひとつです。健康な限り続けよう思っています。

武井 光 様

活動歴:10年  活動:認知症の方のお世話

家内が半年程緑寿園のデイサービスでお世話になりましたが、其の間、職員さんの誠意ある接し方は忘れられません。その 後家内は或ホームにお世話になりますが、そのホームでも若いヘルパーさんの態度に感謝すると共に妻を(他の方々にも)前記の如く見守りお世話してください ました。お世話になった方々へのお返しの万分の一でも出来ればと思い起ったのが始まりです。ホームに妻をた訪ねた際、お手伝いをすると云う訳でもなく何と なく周りを見ては手出しをすることから始まり、帰宅在京の時、週1回でもお手伝いをと思いたちお願いして当園にご迷惑をお掛けしながら十数年経ってしまい ました。
始まって暫くの後、介助の技巧・精神面の上で私自身の苛立・焦燥感が薄くなって参りました。即ち「決して怒る(立腹する)な」「何か行動を起こすに当り、 当事者が勿論一番だが周囲の人・物有らゆる事象に気を配る」と云う事が分かってきたからです。そして、以上の様な事を通し「ゆとり」の気を持てる様になる と共に、一寸功利的な事ですが「健康面」にも極めて良好な様です。
表彰だ感謝だのと誠に有り難い事ですが、足手纏いになりながらも長きに渡りお手伝いさせて戴きました事当方より感謝致す次第です。「誠の心」をモットーの当園でお手伝いさせて戴く事本当に有難う御座います。
終りに、誠の籠った介護に勝る治療なし。早期発見・早期治療・介護(早期に良い薬)

隅田 美砂子 様

活動歴:10年  活動:陶芸教室のお手伝い

会社を辞めてから、生活のリズムが狂って何となく落ち着かなくなっていたところ、折よく点訳の講習があると云う事なの で申込み、点訳ボランティアを始めました。座っての仕事で運動不足になってはと思い、昔陶芸を少し習っていたこともあって、陶芸ボランティアを申込みまし た。連絡がなかったので社協の介護の手伝いをしている時に、急に引っ越す方の後を引き継ぎ、陶芸ボランティアを始めて10年経ったということです。
現在は、お手伝いだけでなく、沢山の人との出逢いを楽しんでいます。


緑寿園のボランティア活動については「ボランティア」ページをご覧ください。