新しい年度に入って初めてのケアセンター職員会を4月29日の休業日を利用して開催しました。会議のテーマは「ゆとりのある支援体制」をどう作りだしてい くか、でした。利用日を楽しみに通所してくださる高齢者の方々に、「今日も良い日だった」と思って頂けるようなゆとりのあるサービスは、職員個々の対応に こそあると、認識を新たに いたしました。また、サービスの基本とは、利用される方々の視点に立ち、状況に合わせて臨機応変に、柔軟に対応することが大切である、ということで一致しました。

平成14年5月号


緑寿園ケアセンターでは3月22日に、日本コンチネンス協会の西村かおる会長をお招きして、「多くの方が悩みを抱える 尿失禁について」講演会を開催し、多くの地域の方に参加していただきました。 尿失禁(尿もれ)は、「年のせい」でも「はずかしいこと」でもありません。健康な方にも、若い人にも全ての方に起こりえます。 女性の場合は、尿失禁で悩んでる方は4人に1人と、花粉症で悩んでいる方より多いそうです。諦めずに、専門家に相談し、自分にあった治療法や対応方法を見 つけてもらったり、失禁予防体操を続けることで、改善されることもあります。

正常な排尿とは・・・

  • 1回の尿量:200ml ~ 500ml程度
    これより少ない方は膀胱が小さいか、出しきれていない
  • 排尿回数:1日6回 ~ 8回
  • 排尿の出方:途中で止まることなく切れよく終わる
  • 色:うすい黄色から透明
    色が濃い場合は、水分をとった方がよい
  • 混合物:ふわふわした物があれば、感染症や石があることを疑う
  • 臭い:魚が腐ったような悪臭がある場合は、膀胱炎など感染の可能性あり

こんな症状はありませんか?

  • オシッコをしたいと思ったらすぐにトイレに行かないと漏れそうになる。
  • トイレに行きたいと思ったら、ほとんどガマン出来ずに漏れてしまう。
  • 冷たい水で手を洗ったり、寒いところに出ると尿が漏れそうになる。
  • 咳やくしゃみをした時に、オシッコが漏れてしまう。
  • テニス、縄跳び、犬の散歩などしている時に、オシッコが漏れてしまう。
  • オシッコが漏れたことに気付かず、いつも下着が濡れている。

※まずは漏れ方を確認して相談してください。

問題なく「排泄」ができるとは・・・

排泄は意識や動作の組み合わせでできています。下の絵の中でひとつでもうまくできないと排泄に問題が生じます。

尿が近い場合 ・・・ 頻尿の対応方法

日中10回以上、夜間3回以上トイレに行く頻尿には原因があります。

  1. 尿量が多いため
    【原因1】水分を3リットル以上飲んでいたり、利尿作用の高いアルコールやカフェインを多く飲んでいる場合
    【対応1】少し水分を控える (1日1リットルは必要)
    【原因2】利尿剤を飲んでいる場合
    【対応2】困る場合は、主治医に相談する。
    【原因3】夜だけ尿量が増える場合、むくみがあったり、腎臓の働きが落ちていると起こることがあります。
    【対応3】日中も横になり、腎臓と心臓を同じ高さにすることも効果があり、主治医に相談します。

  2. 膀胱が小さいため
    【原因1】200mlしかためられないとトイレが近くなる。
    【対応1】トイレに行くのを少しガマンする訓練をする。

  3. 尿が出きっていない場合 (残尿がある)
    【原因1】膀胱の中に多量の尿が残ると(残尿)、頻尿になります。
    【対応1】残尿感と残尿は異なり、残尿量は実際に量らないとわかりません。
          泌尿器科を受診し、尿を出やすくする薬を飲みましょう。

  4. 気持ちの影響
    【原因1】外出したり、緊張するとトイレに行きたくなる場合
    【対応1】気持ちによって起こることを理解し、トイレに行くことをガマンする訓練をしましょう。

便秘の改善方法

まずは、毎日の食生活を改善して、薬は補助的な手段として使いましょう。

  1. 繊維質の多い食べ物を食べましょう。
    野菜、海草、キノコ、果物(特にバナナ、プルーン)、こんにゃくなど。

  2. 水分を適度に摂る。

  3. 腸内細菌のバランスを整える。
    ヨーグルト、オリゴ糖、たまねぎ、にんにく

  4. 大腸の働きを活発にする。
    朝起きた時、冷たい水や牛乳を飲み、腸を刺激し、腸の運動を活発にする。

  5. 便意があったらい必ずトイレに行く
    **ガマンは大敵!ガマンをすると便意はなくなり便秘につながります。

  6. 排便しやすい姿勢をとる。
    前屈みに座って、腹圧をかけやすい姿勢にする。
    寝たきりの場合も、ベッドの背を上げるなどして排便しやすい姿勢をとる。

  7. 適度な運動
    運動は腸の働きを助けます。
    運動が出来ない場合は、おへその回りを「の」の字を書くようにマッサージし刺激します。

  8. 腰や下腹部を温める。
    ガスでお腹が張り便が出ない時は、湯たんぽなどで、腹部や腰部を温めると腸の働きを助けます。