「織機」
お一人、お一人が紡いでくださった糸、年を重ねた味わい深い色で染上げてくださった糸を経糸にし、一織り一織り丁寧に織り上げています。今日ここ緑寿園でめぐり合い、支え合えたことに感謝します。
今年は明治四五年生まれの方が「卆寿」となり、そして大正生まれの方が初めて「卆寿」を迎えられます。明治生まれの方が全て90歳を超えられ、次の時代で ある大正生まれの方が90歳を超えていくことになります。さらに、後期高齢者は明治・大正生まれ。前期高齢者は昭和生まれと、世代区分がはっきりしてきま した。
人は、それぞれの時代の影響を受け、世代としての同一性をもちながら年を重ねていきます。しかし、これからは明治・大正・昭和といった世代区分ではなくよ り細かな世代区分になります。多くの世代が共生する時代、世代を繋げる「大きな力のある言葉」が必要となってきました。
渕脇さんは、昭和8年生まれの69歳。ご主人と二人暮らしです。
元気そのもので過ごしていた65歳の時、脳出血を起こしてしまいました。出血部位は視床下部(ししょうかぶ)という、感覚や平衡感覚などをつかさどる器官 です。このため、右半身の不全麻痺に加え、様々な感覚(痛み、温度、光、音など)の障害が出てしまいました。リハビリの成果で身体機能は回復し、身の回り
の事はだいたいできるようになりましたが、感覚障害は強く残り、ちょっとした光や音に耐えられない、冷たさや寒さ、熱さが辛くて、水に触れられない、コン ロや冷蔵庫が扱えない、真夏なのに汗びっしょりになりながら電気毛布にくるまり、寝たまま食事を食べさせてもらうという状況でした。もともと楽天的で明る
い性格なのに、悪い事しか考えられなくなり、泣いたり、家族にあたったり…。その後、あまりの痛み、辛さに耐えられず入院。処方された薬で症状はかなり緩 和されたものの、しばらくして今度は薬疹が出てしまい、服用中止となってしまいました。
しかし、その後、薬は全く飲まずに、なぜか症状はかなりおさまっています。
入院した時、医師から「視床下部の脳出血だと感覚障害はつきもの。たぶん一生治らないだろう。」とはっきり告げられま した。いつかは治ると信じていただけにとてもショックでした。でも苦悶の末「治らないのならしかたがない。これからは、この痛みや辛さとどう付き合ってい
くかを考えよう」という考えに至ったとおっしゃいます。その「開き直り」が身体にも力を与えてくれたのでしょうか。
服薬を止めてから丸2年経ち、徐々に「できる事」を増やしてきました。ベッドを離れ食堂で食事を取れるようになった、冷蔵庫を開けられるようになった、庭 に出られるようになった、と、ほんの些細な事が喜びと自信につながります。「できる事」は徐々に広がり、生活の範囲も拡大していきました。そして去年の春
にはなんとフラダンスを習いはじめ、趣味の絵画を再開し、今年の夏にはスイミングクラブに登録するまでになったのです。そのステップアップの影には、常に 支えてくれたご家族、助けてくれた友人たち、プロとして援助してくれたヘルパーさんたちの力がありました。
自宅へお伺いすると、初めの頃のげっそりとしたお顔がもう思い出せないほどに、にこにこと出迎えて下さいます。緩和されたとはいえ、痛みや感覚障害は依然 として強くあり、なかなか他人にはそれをわかってもらえない、など辛い面はありますが、「いくつになっても先の人生がある。まだまだこれからよ!」と常に 前向きにこれからの人生の計画をたてようとしておられます。
「生老病死」―四苦(八苦)。その苦とはおもうようにならない現実の中で、自分の欲や都合を先とするために、身も 心ももがき苦しむ様をいう。生きるというは老いることでもあるのに、心は「いつまでも若くありたい」と欲する。そこに苦が生じてくる。我欲を少なくしたい ものです。
わかってはいても、私たちはなかなかその苦という場より脱することができない。(ブッダ・仏教はその脱する道を説くのだが)―でも、もし「老いる」という ことをマイナスにではなく、あたりまえの命の力としてプラスに考えることができたなら、そこには大いなる学びがあるように思う。「老」「死」とはだれにで も共通する、命の姿であり「はたらき」でもあるのだから。若さも、老いも一時の位。
「敬老」というのは、「敬いましょう」というような道徳的なことではない。老いるということは人生の学びであろうと思 う。若いときにはみえなかったものが、生き方をスローダウンすることで、人生を重ねることで本当のものに気づくようになる。老いるということも力なので す。たとえ全体の力が弱くなろうとも、残っている力こそが大事なのです。「敬う」ということは、他人からしてもらうことではなく、自分で自己を敬うことで あり、自己を習う(学ぶ)ことであると思います。そこではじめて他の老いも敬うことができるのです。老いは突然やってくるのではない。生き方・いのちその ものなのです。
「緑寿園ケアセンターで行うさまざまな催しに参加していただくことで、1人暮らしの方や高齢者世帯の皆さんが、横のつながりをつくるお手伝いをしたい・・・。」と緑寿園ケアセンターでは考えております。
その一環として去る4月10日、7月19日に『電子レンジを使った簡単クッキング』と題して、電子レンジの使い方のコツやレンジだけで出来る調理の実習、またそれを食べながらの交流を行いました。その内容の一部をご紹介します。
材料(1人分):さつま芋 中1本、砂糖 大さじ1、レモン 1/4個、水 大さじ3
材料(1人分):なす 150g、豚ひき肉 50g、片栗粉 小さじ1/2、水 小さじ2
A(おろし生姜 小さじ1/2、砂糖 大さじ1、しょうゆ 大さじ1、トウバンジャン 小さじ1/2、サラダ油 小さじ1、水 小さじ2)
転倒による骨折をきっかけとして寝たきりになる方が多くいらっしゃいます。
簡単な体操をしてから動くことで転倒を防止できます。
ポイントは
「息を止めないでゆっくり行うこと。」
「痛みがない範囲で行うこと」
「回数はその日の調子に合わせて行うこと」 です。
ぜひ、無理せずお試しください。
1.片膝抱え
仰向けで片足は膝を伸ばし、もう片方の膝を胸に近づけるように抱え5秒止める。左右2,3回行う。
2.両膝抱え
仰向けに寝て両膝を軽く抱える。
5秒止める。
大腿部を抱えながら下ろす。 2,3回行う。
3.つま先
つま先をゆっくり上げ下ろし、10~20回繰り返す。
4.膝伸ばし
左右交互に膝を伸ばす。
つま先は真上に向け、5秒止める。
ゆっくり下ろす。 左右10~20回繰り返す。
5.もも上げ
片膝を高く上げ5秒止める。
ゆっくり下ろす。
左右交互に10~20回繰り返す。
6.椅子からの立ち上がり
両手を膝においてお辞儀をしながら立ち上がる。
10~20回繰り返す。
